市況

2026年7月下旬 国内外の蕎麦産地情報

 

 

国産玄蕎麦

 

 令和8年産蕎麦は、九州地方の春蕎麦、夏蕎麦が例年に比べ台風や大雨が多く、その影響により収量減や出荷遅れが報告されております。

 北関東の夏蕎麦は例年に比べて気温が低く推移した影響で種子の成熟に時間がかかりました。さらに、収穫時期の降雨により収穫作業にも遅れが生じ、例年に比べて出荷時期が遅れています。

 東北地方の夏蕎麦も種子の成熟の遅れが報告されており、7月下旬頃から本格的に収穫作業が始まる予定になります。

 

 北海道産蕎麦は、早い所では5月下旬から播種作業が始まっておりますが、近年は夏場の高温による生育障害を避ける為、播種時期を遅らせる動きも見られます。北海道の一部地域において、米・大豆・小麦などへの転作が進んでいることから、蕎麦の播種面積は減少しているのではないかと推測されます。今後の天候推移が作柄に大きく影響することから、引き続き状況を注視してまいります。

 

中国産玄蕎麦

 

 2026年産中国産蕎麦の主産地である内蒙古東部赤峰地区では、天候にも恵まれ適度な雨もありトウモロコシ、ヒマワリ、粟、きび等の経済作物の播種面積が増加しました。それにより蕎麦の作付面積は昨年よりも減少が予想されております。又、播種も遅れた為、例年に比べ出荷時期に遅れが出ないか注視しております。

 内蒙古西部地区でも天候は順調であり、ヒマワリ、ナタネ、トウモロコシ等の経済作物の播種面積が増えており、東部同様に蕎麦面積は減少と予想されております。

 西北部地区では高値で反収が良い韃靼蕎麦の面積が増えており、蕎麦面積の減少が予想されております。

 

 2026年産中国産蕎麦は、播種面積が大幅に減少する見込みです。

その主な要因として、安価なロシア産蕎麦が過去2年連続で20万t以上輸入されたことにより、中国国内の蕎麦価格が下落し、農家の作付け意欲が大きく低下したことが挙げられます。又、今年も大豆やトウモロコシに対する補助金政策が継続されていることから農家は収益性の高い作物の作付けを優先しました。さらに、天候にも恵まれたことから、経済作物の播種面積が拡大し、蕎麦の播種面積が減少しました。

 

ロシア産玄蕎麦

 

 ロシア最大の蕎麦主産地アルタイ地方では例年通り2026年産の播種作業が5月中旬頃から実地されました。

 2026年産の蕎麦播種面積は、大幅減になった2025年産播種面積751,000haとほぼ同水準程度になるのではないかと予想されております。ここ2年間における価格低下が農家の播種意欲低下につながっており、農家は蕎麦より収益性の高い油糧種子(ナタネ・ヒマワリ等)、輸出収益の高いエンドウ・ヒマワリ・大豆等の転作を優先する傾向にあります。

 蕎麦の主産地であるアルタイ地方では6月12日以降は30℃~35℃の高温が続いており、地域によっては降雨がほとんど観測されておらず、高温・干ばつ傾向が顕著となっております。この影響により、オート麦、エンドウ豆、小麦等の早生作物は干ばつの被害を受けており、蕎麦についても収量面において影響が及ぶ可能性がある為、注視しております。

 

 ウクライナ戦争以降、販売先が限定された玄蕎麦に対して、中国からの引き合いが急増しました。その結果、中国向け輸出量は2024年約221,800t、2025年約255,000tと2年連続で過去最高を更新しました。2026年1月~6月の輸出量は約12.7万tと(2025年同期:約18.3万t)中国からの輸入需要は今年も安定しております。

 

アメリカ産玄蕎麦

 

 2026年度アメリカ産蕎麦の播種前契約は、中東情勢の影響による原料コストの上昇、および円安の進行を背景に、アメリカ産の契約価格は上昇傾向にあります。

ワシントン州では例年通り7月上旬から8月上旬頃にかけて蕎麦の播種作業が行われます。順調にいけば10月頃に収穫予定、11月下旬から12月上旬には国内搬入が予定されております。