2025年12月下旬 国内外の蕎麦産地情報
国産玄蕎麦
令和7年度北海道産蕎麦は、道内でも播種時期や地域によって収穫状況に差が出ております。5月下旬から播種作業が始まりましたが、雨の影響による播種遅れ、高温を避けるために播種時期を遅らせた地域等があり、全道的に例年より出荷が遅れました。
尚、早期に播種した蕎麦は高温障害や干ばつにより実付きが悪く反収が上がりませんでした。反面、遅く播種した蕎麦は8月以降適度な降雨により概ね順調に生育しました。全道的にはやや平年作を下回ると推測されます。
東北でも播種時期や地域によって、収穫量の差が顕著に出ております。特に集中豪雨による冠水被害を受けた秋田(県央から県北)は収量減が予想されます。又、熊や猪による食害や倒伏の被害が各地域で報告されております。
北関東、茨城・栃木においても地域によって収穫量に大きく差が出ていると報告されております。
北陸・福井は高温障害等の影響がある地域もありましたが、収穫量としては概ね平年並みの収量と推測されます。
九州では播種時期に大雨の影響で蒔き直しをした圃場があり、収穫の遅れが報告されております。
全国的に、気候変動による高温や干ばつの影響から収穫量の地域差・圃場差が大きくなった年度と思います。又、高値がついた米の作業が最優先され、例年に比べて蕎麦の出荷遅れや収量把握に時間が掛かっております。
中国産玄蕎麦
2025年度中国産蕎麦の主産地 内蒙古東部赤峰地区は、政府補助金対象作物である大豆、トウモロコシを中心としたヒマワリ、粟、きび等の播種面積が増加しました。その分、蕎麦の作付面積は減少し、さらに収穫時の雨も影響して収穫量は7千~8千t程度と推測されております。
内蒙古西部地区でも、ヒマワリ、ナタネ、トウモロコシ等の経済作物の播種面積が増加し、東部同様に蕎麦面積は減少しております。収穫量は1.5万t~2万t程度と推測されております。
西北部は6月末まで干ばつとなり他農作物播種が出来ませんでした。その為、時期的に蕎麦播種が主体となり、蕎麦面積は昨年より増加しました。しかし、前半は干ばつ、後半は雨続きとなり生育不良から反収減が予想され、収穫量は5~6万t程度と推測されております。
昨年度は安価なロシア産蕎麦が大量に輸入され、中国国内価格が下落した事から、農民は蕎麦への播種意欲が低下し生産減少しております。その上2025年産新穀ロシア産蕎麦の中国国内搬入が遅れており、中国国内での引き合いが高まっている状況にあります。その為、ロシア産の搬入状況を注視しております。
ロシア産玄蕎麦
ロシア産玄蕎麦は、直近3年の収量が100万t超えの豊作基調でした。反面、ウクライナ戦争下にあり販売先が限定されております。その為、過剰在庫かつ価格が下落し農家の生産意欲低下が強まっております。本年は、蕎麦より収益性の高い油糧種子(ナタネ・ヒマワリ等)栽培が優先され、蕎麦の播種面積が約3割減となりました。
ロシアの主産地アルタイ地方の2025年産播種作業は、例年通り5月下旬頃から6月下旬頃にかけて行われました。収穫は8月下旬から開始し、降雨による作業遅れや、10月上旬に地域によっては降雪がありましたが。その後の天候回復により蕎麦収穫はほぼ終了しました。
2025年産ロシア産玄蕎麦の播種面積、収量についてロシア農業省より暫定速報値が公表されております。
※ 表は横にスクロールできます
| 25年播種面積 | 24年播種面積 | 25年収穫量 | 24年収穫量 | |
|---|---|---|---|---|
| ロシア全体 | 747,100 ha | 1,103,800ha | 862,700t | 1,202,240 t |
| アルタイ州 | 448,600 ha | 619,900ha | 540,500 t | 660,970t |
ウクライナ戦争以降、販売先が限定された玄蕎麦に対し中国からの引き合いが急増しました。中国向け輸出量は2023年約124,000t、2024年約221,700tと増加しました。2025年1月~10月は既に約236,000tとなり輸出量は過去最高となっております。2025年産新穀ロシア産蕎麦は中国への出荷に遅れが出ており、未だ本格化はしておりません。
アメリカ産玄蕎麦
アメリカ産玄蕎麦の産地ワシントン州では例年通り7月上旬から8月上旬頃かけて播種作業が行われました。今年は8月~9月にかけて例年にない暑さが続きましたが概ね順調に生育し10月頃に収穫が始まりました。2025年産は随時国内搬入されております。